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<Author: 劉長卿>
<Title: 自夏口至鸚鵡洲夕望岳陽寄源中丞>
<Format: 七言律詩>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 夏口より鸚鵡洲に至り 岳陽を望みて元中丞に寄す>
<BookPage: 274>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
汀洲無浪復無煙，
楚客相思益渺然。
漢口夕陽斜渡鳥，
洞庭秋水遠連天。
孤城背嶺寒吹角，
獨戍臨江夜泊船。
賈誼上書憂漢室，
長沙謫去古今憐。
<End Poem>
<Translation>
鸚鵡洲（おうむしゅう）のほとりには、打（う）ち寄（よ）せる波（なみ）もなく、またその上（うえ）に立（た）ちこめるもやもなくて、楚（そ）の地方（ちほう）の旅人（たびびと）であるわたしは、もの思（おも）いにふけって、その思（おも）いはますます尽（つ）きることがない。

漢口（かんこう）にさしている夕日（ゆうひ）の中（なか）を、通（とお）り過（す）ぎて行（い）く鳥（とり）は斜（なな）めに飛（と）んで、洞庭湖（どうていこ）の秋（あき）の水（みず）は、はるかに天（てん）にまで続（つづ）いている。目（め）を転（てん）ずればただ一（ひと）つ漢陽（かんよう）の町（まち）が、山（やま）を背後（はいご）にして見（み）え、そこからは寒々（さむざむ）と角笛（つのぶえ）が吹（ふ）き鳴（な）らされ、ただ一本（いっぽん）の樹（き）が長江（ちょうこう）のほとりに立（た）つあたりに、今夜（こんや）は船（ふね）を停泊（ていはく）させることにした。

思（おも）えば、前漢（ぜんかん）の賈誼（かぎ）は、文帝（ぶんてい）に上奏文（じょうそうぶん）を奉（たてま）って漢五朝（かんごちょう）の前途（ぜんと）を憂（うれ）え、そのためにかえって左遷（させん）されて長沙（ちょうさ）にわび住（す）まいする身（み）となり、昔（むかし）から今（いま）に至（いた）るまでの人々（ひとびと）が、あわれみいたむこととなったのだ。
<End Translation>